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2005年9月26日 (月)

白木秀雄のジャケ違い/stereo & mono

白木秀雄は1960年前後、キング、テイチク、ビクター、東芝になかなか
デキのいいモダンジャズのアルバムを残している。
何点かCD化されたが直ぐに廃盤。
何れもレア盤で手に入れるには苦労する。

コツコツ集めていると、面白いことに出くわした。
2種のアルバムにおいて、ステレオ盤とモノラル盤でジャケが違うのだ。

まずは、テイチクの「ブラック・モード(mono)」と「ステレオ・ドラム(stereo)」。
同じものであるが、タイトルが違うので暫くの間、別物と思っていた。
(98年にCD化された時は、両方のジャケが紹介された)

black_modestereo_drum
  (左) 『Black Mode / Teichiku NL 3007』

  (右) 『Stereo Drum / Teichiku SL 1001』


もう一つはビクターの「ファンキー登場!!(stereo)」と「モダン・ドラミング・
アンド・スリーピーズ・ムード(mono)」である。
こちらも、同様にタイトルが違う。
ステレオ盤はオークションにもたまに出てくるので、ジャケをご存じの
方も多いだろうが、ジャケ違いのモノラル盤は非常に珍しいと思う。
同じ日に同じ場所で撮られたカット違いの写真が使われている。
これも最初はテイチク盤同様、別物か?と思ったが、収録曲の一部を
覚えていたので直ぐに同一内容と認識。

modern_drumming_and_sleepy_moodFunky
  (左) 『Modern Drumming And Sleepy
           Mood / Victor JV-5011』


  (右) 『Funky!! / Victor SJL-5008』

音はというと、モノラル信仰者のジャズ・ファンには申し訳ないが、
ステレオ盤のほうが断然いい。音のヌケが全然違う。
当時、各レーベルが挙ってステレオ技術をアピールしていたのも肯ける。
そういえば59年の「Kind Of Blue」のステレオ盤もすごい。

ノーマン・グランツによる秋吉敏子のファースト・レコーディングに立ち会った、
当時、東京放送(現TBS)の石原康行 氏が、
 「彼らの録音方法には随分驚かされたし勉強させられた」
と感じたのが1953年。
これ以降、日本でのスモール・コンボの録音技術も飛躍的に向上し、
やがて50年代末、「ステレオ・ハイファイ」の時代が到来する。
50年代末当時の『スイング・ジャーナル』でも、オーディオ欄はステレオ一色。
ジャズ喫茶の広告には「ステレオ装置アリ」なんて記載も...

前にあげた2つのレコードは、当時のステレオ技術を駆使して録音されたもの。
モノラル盤はステレオ・マスターをモノラル化したものなのである。
当時の販売価格もステレオ盤のほうが2~3割ほど高い。

ともあれ、2種のレコードとも、なかなかの名盤である。
特にテイチク盤は、録音も良く、白木のドラムもさることながら、テナーの
松本英彦、ピアノの世良譲のプレイが秀逸である。
同時代のイギリス、イタリアのモダンジャズ盤と比較しても遜色ない内容だ。

しかしジャケ違いというのはコレクター泣かせであるなぁ。

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